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シグマ シネマズーム レビュー

今回のゲストレビューでは、RED EPIC-W Helium 8Kを使ってドキュメンタリー撮影を行っている、DPDirectorThomas Schweighofer氏が、シグマ シネマズームをレビューしている。数ヶ月前に発表したグラマ・シェルドン氏のシグマズームレンズのレビュー記事も合わせてお読みいただきたい。

私は最近、オーストリアのミュージシャンDominic Muhrerと米国のスーパースター Joshua Ledetのドキュメンタリーを米国で撮影する機会を得た。このプロジェクトで、私は新しいシグマシネプライムを使うことを考えていたが、その時点ではまだ決定していなかった。そんな時、シグマが私に連絡をくれ、シグマ シネハイスピードズームを試してみないかとの話が来た。私は同意したが、プライムレンズでの撮影に慣れていたので、あまり期待はしていなかった。

しかし、18-35mm/T2.0と50-100mm/T2.0を手にした瞬間、この考えが間違いであることを悟った。これらのレンズの持つフルメタルボディ、そのサイズと重量、そして防塵、防滴機能は私に強い印象を与えたのだ。私は即座にシグマシネハイスピードズームは信頼できるレンズであると感じていた。

私のセットアップに関していえば、RED EPIC-W 8K Helium S35カメラと、MōVIProジンバルで撮影している。カメラとジンバルの設定については、ここでは詳細の説明は省くが、皆さんご存知の通り、信頼に応えてくれるものだ。

レンズに話を戻すと、先に書いたように、通常私はプライムレンズだけで撮影してる。これらは、キヤノンCN-E、ツァイス CP2、ロキノン XEEN、それにツァイス Otus、キヤノンLシリーズ、シグマ Artシリーズなどであり、ロキノンVDSLRやいくつかのスチルレンズなど、低価格のレンズもある。

静止画レンズでもビデオを撮影するのに適したものもあるが、問題は常に操作性だ。フォーカスリングの回転角度はあまりにも狭く、フォーカスリングにハードストップが無く、距離マーカーが無い場合もある。シグマシネハイスピードズームでは、これらの問題は全くない。実際、高価なシネマレンズを使っているような錯覚さえ覚えるほどだ。しかし、キヤノンやツァイスが牛耳っているマーケットに、シグマが入り込める理由は何だろうか?

最初の理由は、もちろん価格だろう。 シグマのズームの価格は約4,000ドルで、この価格では1本のツァイスCP2しか購入できない。 シグマが安価なのは予算的には助かるが、やはり画質が心配だ。私はズームとプライムを比較したことはないが、フレア、ゴースト、色収差などに関して優れたズームレンズは見たことがない。

皆さんはすでに、シグマArtシリーズの完璧な画質をご存じだろう。シグマシネハイスピードズームは、同じレンズとデザインを採用している。私は12,000ドル以下の価格のレンズで、このような完全な円形のボケを見たことは無い。しかし、驚くのはボケだけではなく、 T11以上になると、高価なクックやツァイスのレンズにしか見られないようなスターバースト効果が得られるのだ。

RED EPIC-Wで、8K、あるいは6K/100fpsで撮影する場合、この高解像度域でも画質を維持できるレンズが必要となる。これがあれば、32メガピクセル/8Kの画像を撮影し、ポストプロで400%の画像を切り出すことができるのだ。 400%の画像として切り出しても、まだ4Kの画像なのだ。恐らく同価格帯の他のどのレンズでもこれを行うことは難しいだろう。シグマのレンズは実にシャープで、この実力は30,000ドルを超えるレンズに匹敵する。

私は、自分がズームレンズでの撮影にまさか満足することはないと思っていたが、そのまさかが起こってしまった。私はプライムレンズのT1.5の明るさ、フルフレーム対応、フォーカスブリージングの少なさ、そして分解能が気に入っているので、シグマシネプライムはやはり使うだろう。しかし、私はこれに加え、18-35mm/T2.0も買うつもりだ。ズームは、特にドキュメンタリーを撮る場合や、レンズ交換する時間がないときには、非常に便利だ。常にどんな被写体に対しても撮影可能状態にいることができるというのも、ズームレンズの強みだろう。

このレンズは、ジンバルでの撮影や、簡単にレンズ交換できないドローンや車載リグへの取り付けにも理想的だ。モーターを取り付ければ、リモートでフォーカスとズームをコントロールすることができる。即ち、手が届かなくても焦点距離を変えて撮ることができるわけだ。例えば、ドローンに乗せ、20mmの広角撮影をし、次にサイクリストの周りを35mmの浅い被写界深度で旋回ショットに移行するというような状況なら想像し易いだろう。実に快適で効率的な撮影ができるのだ。

このレビューで紹介されている映像は、Climb Every Mountainから引用している。オーストリアのMoonlake Entertainmentのプロデューサーで監督のHannes M. Schalle氏によって制作され、2017年12月21日にServusTVで放送される予定のものだ。詳細はこちらをご覧いただきたい。 下で予告編も見ることができる。

 

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