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DJI Zenmuse X7レビュー - 新しいドローンカメラをテストする

これはドローンエキスパートで5kdigitalfilmのChris Boys氏によるゲストレビューで、DJIの新しいハイエンドカメラをテストしている。彼は美しい映像をDJI Zenmuse X7で撮影し、そのレビューを寄稿してくれた。 (Intro by Sebastian Wöber)

DJI Zenmuse X7 レビュー

DJI Inspire 2Zenmuse X5は、過去9ヶ月間使用したが、私がフォーラムで読んだ評価にかかわらず、非常に信頼性が高いものだということが分かった。時にはログインするための接続にイラッとすることもあるが、忘れてはならないのは、それが非常に複雑で技術的に高度なシロモノだということだ。

プレスリリースでZenmuse X7の仕様が発表されたが、多くの人が関心を寄せたことだろう。数週間後、Cine Tirol Film Commission からTirolの美しい風景を撮影する仕事が来た。このプロジェクトで、DJIはZenmuse X7のサンプルを提供してくれたので、レビューを書くことにした。

DJI Zenmuse X7 Review - Lens Assembly

準備

DJIから提供されたBetaソフトウェアを、2台のCrystalSkyモニターとともにInspire 2で動作させた。テスト飛行は、特に問題なくうまくいった。異なるフォーマットで数分間撮影し、順調に稼動していることを確認した。我々の判断では、4K ProRes 4444XQがこのプロジェクトでは最良の選択肢だった。

ところで、一ヵ月早く冬が到来したので、当初予定した秋から冬への山風景の変遷の撮影は極めてハードなものとなった。

DJI Zenmuse X7 Review - Control

難しい状況での撮影

翌朝から、寒風と雪との戦いとなった。風景がモノクロームになる前に美しい風景を撮りたいので、良い状態になるのを待った。

3300mの高所での撮影のため、-15℃の気温で、強風が吹付け、撮影は非常に困難な状況となった。我々は電池を温めておくためポケットに入れ、撮影では地面から1mはホバリングしておく必要があった。 DJI Inspire 2は非常にしっかりとしていたが、戻ってこないかもしれないと何度か覚悟した。

DJI Zenmuse X7 Review - Crystalsky Monitor

DJI Zenmuse X7の映像は素晴らしく、ジンバルは滑らかで、CrystalSkyでのオペレーションも良く反応した。レンズ交換は直ぐにできた。厳しい状況だったが、幸運にも問題なく終了することができた。

我々の撮影は早朝や深夜が多いが、x5で使用していた1.2と1.5 NDフィルターは多少かかりすぎる傾向にあった。 ND 8は適切な濃さだった。

主にパノラマビューを撮影すると、カメラはそのネイティブのISO400で正常に動作し、f5.6-f8程度まで開く。このプロジェクトでは、地面に近いショット以外では、大きなセンサーでの浅い被写界深度による恩恵は受けなかった。

Zenmuse X7の映像

ヒストグラムでは安全圏なのに、CrystalSkyでは白飛びが発生することには悩まされた。雪に日差しが当たる部分は飛んでしまう。すぐに慣れたがファームウェアの問題のようだ。

映像は、一部の用途では少しソフトと感じるかもしれない。レンズがよくないとの評もあるようだが、適切なポストプロダクション環境で映像を見ると、センサーが原因のように思える。

DJI Zenmuse X7 Review - Flying

我々は夕暮れ時に2本のショットを撮影した。非常に暗いので、ISOをEIモードの最大値である1600にしている。低照度特性はレンズが暗いため、比較したり数値化すると、あまり良い結果にはならない。しかし、グレーディングして適切に処理すると、映像は素晴らしく、有機的で自然に見えた。

Zenmuse X7は、Zenmuse X5Sよりもずっと優れたハイライトに対する特性を持っている。これは太陽を撮ってみると明白だ。ダイナミックレンジも改善されたが、これらの両方を最大限に活用するためには正確な露出が重要だ。ただ、これは経験を積まないと難しいだろう。

DJI Zenmuse X7 Review - Flying

 

ファイルハンドリングとポストプロダクション

我々はハイエンドの仕事の多くでX5とInspire2を使用したが、RAWで撮影した割合は比較的少ない。X7でこれが変わるかというと、そうではないだろう。メディアが一杯になって着陸しなければならないという状況があるからだ。

ライティングやコントラストで特別な問題があったり、VFXを多用する場合、あるいは背景を別の映像にするなどの用途でないのであれば、ほとんどの状況でProRes 4444XQで十分だ。4444のXQ映像30分以上が1枚の480GB SSDに収録できるため、現場でSSDを交換する必要はほとんどない。

WindowsベースのハイエンドマシンにAdobeソフトウェアをインストールして、ProResファイルをネイティブに編集した。これには64GBのRAMと複数のSSDドライブ、i7-6900、そしてRaid 0の2つの高速4TBのHDDが搭載されている。

ProRes 4444 D-logの映像ファイルをフル解像度で再生、編集することができ、非常に快適だ。これをXML / EDLで書き出し、Resolveでグレーディングする。X7の6K RAW DNGはすばらしいが、本当に必要な場合でなければ、ProResのほうが快適に編集できる。

まとめ

Zenmuse X7をレビューして私の個人的な結論は次のとおりだ。DJI Zenmuse X7は、素晴らしい映像を撮ることができる優れたカメラだ。X5ほど簡易に使えるわけではないが、その特長を理解して使うと良いだろう。

X7は以前のドローンカメラにはない、非常に映画的な映像を撮ることができる。これは明らかにハイエンドの映像制作を意識して設計されており、ポストプロダクションでの適切な取り扱いを必要とする。露出は晴れた日の雪のような明るいシーンでは特に重要で、多少アンダーにする必要がある。

暗い環境での撮影用に、少なくとも2本の明るいレンズが発売されることを期待したい。プロフェッショナルな空撮を行う場合、すでに DJI Inspire 2を所有しているなら、Zenmuse X7への投資は理にかなっている。

フジヤエービックのショップサイト

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