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CAME-TV Boltzen LEDフレネルライトレビュー

CAME-TVからエントリーレベルのフレネルライトの新製品、Boltzen LED 30W55W(どちらも昼光色)を借用することができたのでレポートする。これらは小型軽量で安価な上、単光源(チップオンボード)でフォーカスができるフレネルライトだ。ドキュメンタリーの撮影には非常に適した製品で、多機能性、汎用性、そして電源の自由度の高さが特筆される。これよりも高価な Kinotehnik Practilite 602については昨年レビューしたが、この比較においても興味深い。

Boltzen30WLED55Wの主な特徴

  • どちらもサイズ、機能面で理想的。55Wの方は赤いラバーリングのアクセントがあり、静音ファンが内蔵されている。両方共小型のキャリングケースが付属。
  • 昼光色とタングステン色が選択可能
  • 筐体は主にプラスチック製だが、アクセサリーは金属製
  • 背面のディスプレイでバッテリー残量と明るさを確認できる。バイカラーではないので色温度の表示は無い
  • 筐体を伸縮させることによりビームのフォーカスのコントロールができる。バーンドアのコントロールも、回転を含め可能。
  • 昼光色のユニットにはタングステン色のプラスチックフィルターと2種類のディフーザーが付属する
  • プラスチック製のフォーカスレンズは着脱でき、強い照明が必要な場合に対応できる。
  • バーンドアの蝶番は堅く、安全性が高い
  • どちらのライトもソニーのNPバッテリー、ACアダプター、あるいはVマウントバッテリー(4ピンミニXLRケーブル使用)からの電力供給が可能。
  • ON/OFFボタンは明るさ調整用のつまみとは独立している。これは一見無駄なように見えるが、バッテリー節約のためにこまめにON/OFFする場合、以前の明るさの位置を正確に再現できるので、理にかなった考え方なのだ。

 

欠点

  • WiFi接続機能が用意されているのに、WiFiやBluetoothによるコントロールするアプリが用意されていない。
  • 55Wライトで50%以上の明るさにするとソニーバッテリーで動作しないものがある
  • ボタンやコントロールダイアルが上部にあるので、ライトを高いところにセットすると手が届かない。
  • バーンドアでできる影のエッジがはっきりしない
  • NP-Fバッテリーやステーを着けたままではケースに収納できない。

ラボテスト結果

CAME-TV Boltzen CRI and TLCI Results CAME-TV Boltzen CRI and TLCI Results

テストラボでAsensetek Lighting Passportを使用して測定してみた。この測定機器は小さなものだが、LED照明のクオリティーを分析する上でかなり使える分光計だ。今後この分光計を使用して様々な照明器具をテストしていきたい。

着目するのはCRI(Color Rendering Index=演色評価数とは光源が自然光と比べてどの程度正確に色を再現できるかを示す単位)で、メーカーが言っている96や97という数値が出るかどうかだ。上のチャートを見ると、各色に対する正確な数値が読み取れる。これを見ると、かなり正確な数値が出ていることが分かるだろう。即ち、太陽光に限りなく近いということで、スキントーンや白い表面を正しく撮影できるということだ。

TLCI(Television Lighting Consistency Index=テレビの光度指標で、スタジオ照明において、そのライトが最適かどうかを示す単位)は最近用いられる新たな測定基準で、これらのライトは97.7と98を示している。これは極めて優れた数値で、全体的なカラークオリティーは際立っていると言える。波形チャートを見ると、ブルーの位置に突出している部分があるが、これはLED特有のものだ。もちろん撮影に悪影響を及ぼすものではない。

なお、2つのBoltzen 30Wをテストしたが、色温度は5400Kで、表示の5600Kと多少ずれていた。これもこの分光計があったから分かったことである。

まとめ

価格は300ドル以下で、極めてコストパフォーマンスに優れた製品ということが分かる。また、汎用性が高く、携帯性も優れている。単体の他、2個セットと3個セットのパッケージも用意されており、パッケージは多少価格的にお得になっている。フリッカーフリーなのでどこの地域でも使用可能だ。

個人的にはファンレスで消費電力も低い30Wバージョンがお勧めだ。テストでは同じNP-Fバッテリーを使用した場合、55Wよりも相当長く動作した。ただ、55Wの方は正確な色温度だったのに対し、30Wは多少色温度が表示値と異なっていた。

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